読みやすさの指標Barometer

読みやすさの指標は、「点数(0~100点)」または「米国の学年制度」を基準として評価します。

点数による評価指標

点数が高いほど、読みやすく、理解しやすい英文であることを示します。点数が低いほど、読みにくい英文であることを示します。一般に、米国の官公庁では、文書作成時に本指標のターゲット値が指定されます。フロリダ州では、生命保険証書の内容は45点以上であることが義務付けられています。

フレッシュ・リーディング・イーズ・フォーミュラ Flesch Reading Ease Formula

評価方法
206.835 – 1.015×(1センテンスあたりの平均単語数)- 84.6×(1単語あたりの平均音節数)
解説
スコア 内容を理解するために必要な英語レベル
米国のGrade表示(日本の相当学年)
説明
100–90点 Grade 5(小学校5年生)(平均的な11才の小学生が簡単に理解できる) 非常に読みやすい
90–80点 Grade 6(小学校6年生) 読みやすい
80–70点 Grade 7(中学1年生) やや読みやすい
70–60点 Grade 8-9(中学2〜3年生)(13~15才の学生が簡単に理解できる) プレインイングリッシュ
60–50点 Grade 10-12(高校生) やや難しい
50–30点 大学生 難しい
30–0点 大学卒以上 非常に難しい(大学卒業レベルの知識が必要)

出典:https://theatwatergroup.com/ReadablityStatsSample.pdf

※『リーダーズ・ダイジェスト』は65点、『タイム誌』は52点です。

米国の学年制度による評価指標

本指標は、米国の学年制度(小学校1年生は1、中学校1年生は7)で表されます。指標が8.3であれば、その英文は米国の平均的な8年生(日本の中学2年生)が理解できるとされています。

フレッシュ・キンケイド・グレード・レベル Flesch-Kincaid Grade Level (FKG)

評価方法
0.39×(1センテンスあたりの平均単語数)+ 11.8×(1単語あたりの平均音節数 )-15.59
解説
フレッシュ・リーディング・イーズ・フォーミュラを使いやすくしたものです。教師による教科書の選定をはじめ、広く使われています。

コールマン・リアウ・インデックス Coleman-Liau Index(CLI)

評価方法
(0.0588×100単語あたりの平均文字数)- (0.296×100単語あたりの平均センテンス数)-15.8
解説
この特徴は、単語の難易度を計るのに音節数ではなく文字数をカウントする点です。評価の正確性には異論もありますが、コンピュータプログラムでは音節よりも文字数をより正確に計算できるため、1つの指標として参考になります。

ガニング・フォッグ・インデックス Gunning Fog Index(GFI)

評価方法
0.4×(1センテンスあたりの平均単語数+ 3音節以上の単語の割合)
解説
幅広い読者層が対象となる文章では、一般に本指標が12以下とされており、一般的な読者に向けて英文が書かれているかどうかを確認するのに役立ちます。指標の数字が小さいほど理解されやすい英文とされています。ただし、3音節以上の単語でも、意味的には平易なものもあるため、正確性は限定されます。

SMOGインデックス SMOG Index

評価方法
解説
SMOGインデックスは、ヘルスケア関連資料に広く利用されています。

オートメーティッド・リーダビリティ・インデックス Automated Readability Index (ARI)

評価方法
4.71×(文字数/単語数)+(0.5×1センテンスあたりの平均単語数)-21.43
解説
技術資料やマニュアル用に設計された指標です。本来は、米国陸軍で使用する文書用に作成されました。他の指標と異なり、コールマン・リアウ・インデックス同様、音節の要素については考慮されていませんが、1つの指標として参考になります。