第一生命経済研究所が解説:「プレインランゲージ」が実現する誰もが取り残されない情報社会

第一生命経済研究所は、外国人や障害のある方など多様な人々に情報を確実に届けるための「わかりやすい日本語」の動向をまとめたレポートを2024年に公開しました。

本資料では、迅速かつ正確な意思疎通を支える世界標準のコミュニケーション手法である、プレインランゲージやJAPLについても触れています。

大手シンクタンクである同研究所がこの概念を明文化したことは、日本社会におけるプレインランゲージの認知と普及を一層加速させる重要な意義を持っています。

ご参考:多様な人にわかりやすい日本語とは?~ガイドライン類の比較を通じて~

橘川 真澄
(JAPL理事)

【医療をもっとわかりやすく】プレインランゲージが繋ぐ、患者さんと最新治療の架け橋

治験の結果などを一般の方にわかりやすく伝える「プレインランゲージサマリー(PLS)」や「レイサマリー」の活用が、今注目されています,。

 日本では海外に比べ普及が遅れており、必要な情報が分散していて見つけにくいといった課題もありますが、改善に向けた取り組みが進んでいます。

 具体的には、複雑な治験情報と、すでに発売されて病院などで使えるようになった薬の情報を繋ぎ、一連の流れで情報を得られる環境作りが期待されています。 

広告規制などのハードルはあるものの、国を挙げてより使いやすい情報公開システムへの改修や標準化が検討され始めています。 

難しい専門用語をわかりやすく伝えることは、患者さんが納得して治療を選択するための心強い支えとなるはずです。

参考:PLS/レイサマリーから考える医療情報アクセスの現状と課題

橘川 真澄
(JAPL理事)

文字よりも「絵」で心をつかむ:中央銀行が「一目で伝わる」を重視する理由

情報が溢れる現代、中央銀行は難解な経済の話を「一目で直感的に伝える」工夫を凝らしています。

私たちの脳は文字より画像を圧倒的に速く処理するため、図解や動画は、複雑な仕組みを瞬時に理解させる強力な武器となります。

日本銀行が野球を題材にしたり、ジャマイカが音楽を活用したりと、世界中で「親しみやすさ」を追求する動きが広がっています。

こうした視覚的なアプローチは、もはや言葉を補うためのおまけではなく、市民との信頼を築くための「頼れる架け橋」へと役割を変えています。

人々が政策を身近なものとして感じ、自然と関心を向けるきっかけにもなっていきそうです。


参考:Picture this! Central bank visuals across five continents

橘川 真澄
(JAPL理事)

「中2レベル」が世界を動かす?久米宏に学ぶプレインランゲージの極意

「アメリカの大統領演説は、中学生にもわかるレベルを目安に磨き上げられている」ことが多いと言われます。

難しい言葉を振りかざすのではなく、誰にでも届く表現を選び抜くことこそ、本当の知性のあらわれではないでしょうか。

かつて久米宏さんも「中学生にわかる」を掲げ、模型などの視覚効果を駆使して、難解なニュースを身近なものへと変えました。 

記者が書いた紋切り型の原稿を、血の通った自分の「話し言葉」へと徹底的に手直しするこだわりが、視聴者の心を掴んだのです。 

専門用語という壁を壊し、相手の心に真っ直ぐ届く「等身大の表現」を選ぶこと。そこにこそ、伝える側の真摯な思いが宿ります。

ご参考:久米宏さん、テレビ史を変えた「ニュースステーション」の功績…「中学生でもわかる」視覚主義、報道のショー化

橘川 真澄
(JAPL理事)

アメリカ発・ClearMark Awards:役所の文章も“わかりやすさ”で評価される時代へ

アメリカには、わかりやすい公的文書やウェブサイトを表彰する「ClearMark Awards(クリアマーク・アワード)」があります。​

連邦政府機関や自治体、NPO、企業などが出した文書の中から、「読む人にとって本当にわかりやすいかどうか」を基準に評価する賞です。​

審査では、読み手が次にとるべき行動をすぐ理解できるか、専門用語をやさしい言葉で説明しているか、構成や見出しが読みやすく整理されているかなどを、細かくチェックします

つまり、「きれいな文章」かどうかではなく、市民が何をするべきか、どんな選択肢があるかをすぐ理解できるかどうかが問われているのです。​

この賞の存在自体が、「わかりやすさには客観的な基準がある」ということを示し、プレインランゲージの普及を後押ししていると言えるでしょう。

ご参考:ClearMark Awards(主催団体:Center for Plain Language)

橘川 真澄
(JAPL理事)

難しい専門用語を捨てる勇気。いざという時に「迷わせない」プレインランゲージの力

誰にとってもわかりやすい「プレインランゲージ」は、日常の安心を支える大切な要素でもあります。

JA共済アプリのリニューアルでは、専門用語を徹底的に取り除き、誰もが直感的にわかる言葉遣いへと刷新されました。

その結果、若者から高齢層まで「使いやすい」という声が広がり、登録者数は130万人を突破しています。

プレインランゲージを軸にしたデザインは、国内外のデザイン賞を受賞するなど、世界的に高く評価されています。

ご参考:防災も手続きも、スマホで完結。世界が認めた「JA共済アプリ」が届ける”日常の安心

橘川 真澄
(JAPL理事)

AIも人も「一読」で理解できる文書へ。トヨタに学ぶプレインランゲージの重要性

サステナブル・ラボ株式会社が発表した「AIフレンドリー統合報告書ランキング」は、人だけでなくAIも読者になる時代の到来を示しています。

統合報告書の「AI可読性」は、投資家やステークホルダーの目線だけでなく、情報の構造や明確さ、つまりプレインランゲージの本質に深く関わります。

見出し階層を整理する、論理的に構成する――これらは「読みやすさ」を高めるだけでなく、AIにも理解しやすい文書をつくる第一歩です。

AI可読性ランキングで首位となったトヨタ自動車は、まさにこの点で高い評価を受けました。

ご参考:『AIフレンドリー統合報告書ランキング TOP50(2025年版)』、首位はトヨタ自動車 サステナブル・ラボ調べ

橘川 真澄
(JAPL理事)

英文開示の実務担当者が押さえるべき3つのポイントとは?

英文同時開示の義務化対応を「単なる事務負担」と捉えず、企業価値向上のチャンスにするためには、以下の3つの視点が重要です。

① プレインランゲージ(平易な英語)

② コストではなく「投資」

③ 完璧主義を捨てる

上記は赤坂国際法律会計事務所のブログからの抜粋です。

ブログでは、英語ネイティブがストレスなく読める「平易・簡潔・明解」な英語(プレインイングリッシュ)を推奨しています。また、英文開示が必須とされる理由や、限られたリソースで効率的に英文開示を進めるための具体的な手法などを紹介しています。

詳細は「英文開示の実務対応 第 80 回全株懇定時会員総会審議事項の紹介」をご覧ください。

橘川 真澄
(JAPL理事)

「投資の神様」に学ぶ、心をつかむ伝え方の極意

「投資の神様」といわれるウォーレン・バフェット氏は、複雑な経済の仕組みを、日常の言葉でさらりと解き明かす名手です。

彼は難しい用語を避け、誰もが納得できる「日常の言葉」で経営の本質を語り続けてきました。

中でも「雨を予測するより、傘を準備することが大事だ」という教えは、彼の哲学を象徴しています。 これは、未来の不安をただ予想するのではなく、何が起きても動じない「備え」を整えよという知恵です。

私たちも、相手の心にスッと届く、シンプルな表現を大切にしたいものです。

ご参考:
バークシャー・ハサウェイの年次報告書(2024年)

ウォーレン・バフェット氏が60年ぶりにバークシャー・ハサウェイのCEOを退任し、指揮権をグレッグ・エイベル氏に譲る

橘川 真澄
(JAPL理事)

世界で広がる「プレインランゲージ」とは? サステナビリティ情報発信に重要な理由

企業によるサステナビリティの情報発信は、読者に十分伝わっていないことも多い。

一般的にあまり知られていない専門用語やカタカナ語が使われているためだ。

幅広い人に共感してもらうためには、プレインランゲージの考え方を取り入れることが有効だ。

上記は、サステナブルブランドのニュースからの抜粋です。

サステナビリティの情報発信で活用すべきプレインランゲージの重要性や、JAPLについても言及されています。

詳細は「世界で広がる「プレインランゲージ」とは? サステナビリティ情報発信に重要な理由」をご覧ください。

橘川 真澄
(JAPL理事)
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