「中2レベル」が世界を動かす?久米宏に学ぶプレインランゲージの極意

「アメリカの大統領演説は、中学生にもわかるレベルを目安に磨き上げられている」ことが多いと言われます。

難しい言葉を振りかざすのではなく、誰にでも届く表現を選び抜くことこそ、本当の知性のあらわれではないでしょうか。

かつて久米宏さんも「中学生にわかる」を掲げ、模型などの視覚効果を駆使して、難解なニュースを身近なものへと変えました。 

記者が書いた紋切り型の原稿を、血の通った自分の「話し言葉」へと徹底的に手直しするこだわりが、視聴者の心を掴んだのです。 

専門用語という壁を壊し、相手の心に真っ直ぐ届く「等身大の表現」を選ぶこと。そこにこそ、伝える側の真摯な思いが宿ります。

ご参考:久米宏さん、テレビ史を変えた「ニュースステーション」の功績…「中学生でもわかる」視覚主義、報道のショー化

橘川 真澄
(JAPL理事)

難しい専門用語を捨てる勇気。いざという時に「迷わせない」プレインランゲージの力

誰にとってもわかりやすい「プレインランゲージ」は、日常の安心を支える大切な要素でもあります。

JA共済アプリのリニューアルでは、専門用語を徹底的に取り除き、誰もが直感的にわかる言葉遣いへと刷新されました。

その結果、若者から高齢層まで「使いやすい」という声が広がり、登録者数は130万人を突破しています。

プレインランゲージを軸にしたデザインは、国内外のデザイン賞を受賞するなど、世界的に高く評価されています。

ご参考:防災も手続きも、スマホで完結。世界が認めた「JA共済アプリ」が届ける”日常の安心

橘川 真澄
(JAPL理事)

AIも人も「一読」で理解できる文書へ。トヨタに学ぶプレインランゲージの重要性

サステナブル・ラボ株式会社が発表した「AIフレンドリー統合報告書ランキング」は、人だけでなくAIも読者になる時代の到来を示しています。

統合報告書の「AI可読性」は、投資家やステークホルダーの目線だけでなく、情報の構造や明確さ、つまりプレインランゲージの本質に深く関わります。

見出し階層を整理する、論理的に構成する――これらは「読みやすさ」を高めるだけでなく、AIにも理解しやすい文書をつくる第一歩です。

AI可読性ランキングで首位となったトヨタ自動車は、まさにこの点で高い評価を受けました。

ご参考:『AIフレンドリー統合報告書ランキング TOP50(2025年版)』、首位はトヨタ自動車 サステナブル・ラボ調べ

橘川 真澄
(JAPL理事)

世界で広がる「プレインランゲージ」とは? サステナビリティ情報発信に重要な理由

企業によるサステナビリティの情報発信は、読者に十分伝わっていないことも多い。

一般的にあまり知られていない専門用語やカタカナ語が使われているためだ。

幅広い人に共感してもらうためには、プレインランゲージの考え方を取り入れることが有効だ。

上記は、サステナブルブランドのニュースからの抜粋です。

サステナビリティの情報発信で活用すべきプレインランゲージの重要性や、JAPLについても言及されています。

詳細は「世界で広がる「プレインランゲージ」とは? サステナビリティ情報発信に重要な理由」をご覧ください。

橘川 真澄
(JAPL理事)

国際会議「Brussels Plain Language Experience 2025」への参加

2025年11月5日から7日にブリュッセルで開催された国際会議「Brussels Plain Language Experience 2025」に浅井、寺井とともに参加しました。この会議はPlain Language Association International(PLAIN)とClarity International、そして欧州議会、欧州委員会、ベルギー政府、司法研修所が共催し、「Uniting for a brighter future: A new era for plain languageより明るい未来のために団結を:プレインランゲージの新時代」をテーマに、各国のプレインランゲージの専門家や実務者が数百名集まりました。

ISO、法務、AI、デザインなど多岐にわたるセッションやパネルディスカッションが毎日行われました。特に印象に残ったセッションはLorenzo Carpanè氏による「神経科学とプレインランゲージ」、Karel van der Waarde氏による「ISO規格が患者の権利と医療結果をどう改善するか」、欧州議会の翻訳チームによる「多言語対応サービスのアクセシビリティ」、Neil James博士による「ツールを活用した倫理的説得」などでした。いずれもプレインランゲージやISO 24495に基づくコミュニケーション方法が有効であることが紹介されました。

JAPLでは、浅井が日本におけるプレインランゲージについて、寺井は日本における社会保障制度情報のアクセス性とプレインジャパニーズの有効性についてポスター発表を行いました。

プレインランゲージに関するアジアからの情報が少ないこともあり、各ポスターには常に訪問者が訪れ、さまざまな質問をいただき、盛況のうちに終えることができました。

こうした国際会議に参加したのは初めてですが、普段はZoom上でしか会うことのできなかった世界のプレインランゲージのエキスパートとネットワークを築けたことは大変貴重な経験でした。この縁を大事に、世界のプレインランゲージの動向をはじめ、皆様にさまざまな情報をお届けしていきたいと思います。

橘川 真澄
(JAPL理事)
© A&People Corporation. All Rights Reserved.