結論を先に伝えよう:機内トイレの喫煙警告

日本航空(JAL)の機内トイレには喫煙行為への警告が掲げられている。

日本語ではこうだ。

化粧室内での喫煙は、運航に重大な支障をきたすことがあるため航空法により禁止されています。違反した場合、罰金が科せられることもあります。

そのままGoogle翻訳すると

Smoking in the restroom is prohibited by Civil Aeronautics Law of Japan as it can seriously disrupt to flight operations. Violators may be fined.

英語での表示は違う。

The use of products causing fire or smoke is strictly prohibited. Smoking in the lavatory is subject to a fine under the Civil Aeronautics Law of Japan as it may cause serious interruption to the flight operation.

Google翻訳で日本語に戻すと

火や煙を発生する製品の使用は固く禁じられています。トイレ内での喫煙は飛行に重大な支障をきたす可能性があるため、日本の航空法に基づき罰金の対象となります。

英語の方が利用者に訴求する。英語では「絶対に禁煙」と結論が先に出て、「法律で罰せられる恐れあり」が後に来る。日本語では、「法律違反だから喫煙しないでね」というだけだ。法律がなければ喫煙は許されるという屁理屈も成り立つ。

プレインランゲージの基本原則の一つが「結論を先に」である。トイレ内の二つの表示を読むと、違いが理解できる。僕ならこう書くだろう。

化粧室内での喫煙は禁止! 運航に重大な支障をきたすことがあるためです。 違反した場合は、航空法により罰金が科せられることもあります。

山田 肇
(特定非営利活動法人情報通信政策フォーラム理事長/工学博士/東洋大学名誉教授 /JAPL理事)
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